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作成日:2014/11/17
一年を振り返って

 年末号ということで、久し振りに巻頭文を書いています。半年間、職員にも皆様方とのコミニュケーションの場として記事を掲載させて頂きましたが、如何でしたでしょうか。これからも継続させて頂きたいと思いますのでよろしくお願い致します。

 

 今年、特に感じられたことは、人間の傲慢さに対する強烈な自然からのメッセージです。地球温暖化の元凶ともいえる二酸化炭素の排出基準については先進国と発展途上国のエゴがぶつかり、何年も経つのに何も進展していないように感じられます。

 広島の土砂災害、御嶽山の噴火、災害列島と化した日本、中国からの黄砂やPM2.5による被害等々日本だけでは解決できない問題も数多く発生しており、世界各国の話し合いが待たれます。

 

 経済面では、20年にわたるデフレからの脱却の兆しという嬉しいニュースもありましたが、消費税の税率アップや円安による輸入物価の上昇で年金生活者をはじめ、中小企業者は厳しい対応を強いられています。

 世界最長寿国の日本としては、少子高齢化への取り組みをする暇もなく、20年にわたる不況に遭遇し、ようやく社会保障と税の一体改革ということで、消費税増税を実施したわけですが、2015年10月からの10%への再引き上げは、景気の悪化、突然の衆議院の解散なども取りざたされ、まだまだ不安定さは継続するように見受けられます。

 アベノミクスの大胆な「金融政策」は日銀による大幅な金融緩和により実施され、円高不況からの脱出には成功しましたが、円安による輸入物価の上昇を招き、材料の上昇を製品価格に転嫁できない中小企業、輸入業者、消費者に消費税アップとWで打撃を与えています。

 民間投資を喚起するという最も大事な「成長戦略」は消費税増税で影響を受ける業界、中小企業に関連する政策や「TPP」、「円安」、「原子力問題」「法人税引き下げ」等々の綱引き状態にあって中々進展しない状況にあります。グローバル社会の困難さを考えさせられる時代なのでしょうか。

 

 政治に目を転ずれば、尖閣諸島の国有化に端を発した中国との関係悪化、海底資源や日本と重複する中国の防空識別圏設定問題、赤色サンゴの密漁問題があって一触即発の気配すらある中国との政治的に不安定な関係も、ようやく断絶していた首脳会談が開かれた事で、閉ざされた門戸が開かれることを願うばかりです。

 

 多くの問題を抱えて新しい年が始まります。人間の叡智で困難を乗り越え、次の時代へと橋渡しができるように、皆さんお互いに切磋琢磨して頑張りましょう。     

        

                                            2014年11月  桑 原