トップ
サービス案内
税務会計ニュース
今月のお仕事
事務所案内
お問合せ
お知らせ
作成日:2016/03/17
ふるさと納税一考

 昨年、初めて「ふるさと納税」を利用してみました。制度が改正されて、私のような給与所得者は確定申告が不要となったため(一定の要件あり)、また、それを顧問先の方々にお勧めしていたためです。

 インターネットの専門サイトで日本全国の市町村の「お礼の品」を選んで、縁もゆかりもない市に寄付をして、そのお礼の品をいただきました。

 

 わが国では今後ますます、高所得者(富裕層)への課税が強化されてゆきます。昨年7月にはいわゆる「出国税」が施行され、身近なところでは、引き続き「給与所得控除」の上限額が段階的に引き下げられます。(とはいえ、わが国はいまだ高所得者の税負担が大きくないという議論もあり、今後さらなる施策が出てくる可能性もあります。)

 そのような中で、「ふるさと納税」制度は、数少ない高所得者有利の制度といえます。課税所得が高いほど、より多額の寄付をしてより多くの「お礼の品」を受け取ることができるというしくみになっているからです。(寄付した金額は一定の上限額まで、全額が納税額から控除される。そして、高所得者ほどこの上限額が上がる。)

 

 この制度について、個人的には、「今後ますます国民(納税者)への負担を強いていく流れの中での、国(政府)のお為ごかし的な政策」であると推察しています。地方自治体の税収確保のため、地域経済活性化のため、納税者の不満を低減するため。という題目の下、各市町村に競って物品を供出させることで、国(政府)はハラをあまり痛めずに、それらの目的の達成、特に納税者の不満を低減できる(と思っている)という構図です。今後、各市町村が過度の「お礼の品競争」で疲弊していくことにより、制度の是正がなされることも考えられますが、現状では拡充する方向のようです。(「企業版ふるさと納税」の議論)

 

 実際にどのような思惑で「制度」が作られるのかは想像の域を出ませんが、どのような理由であれ、作られた制度は粛々と運用されていきます。納税者としては、少しでも有利な制度を積極的に利用することで、わずかながらでも家計の足しにできればというところでしょうか。

 

 われわれ会計事務所職員としては、そのような情報をなるべく早くわかりやすく顧問先の皆さまにお伝えし、その「経済的満足」をわずかでも高めていけるように努力してゆきたいと考えています。



                                               山 鹿 真 吾