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作成日:2016/09/28
ことばにすることの大切さ

 

今の世の中、実にさまざまな活動をしている人達がいる。先日は、各家庭において「家訓」を作成することを推奨し、それを広める活動をしている方の講習を受けて、実際に家訓を作成してみた。(結局、我が家でそれは使われていないが。)

 

たしかに、個人が所属する最小組織である「家庭」を構成する人々が、一定の価値基準、判断基準(いわゆる「価値観」)を共有してお互いに支え合いながら生きていくことは、いうまでもなく大事なことである。そして、それを家訓という形で明文化し、日々唱和などして意識づけすることは、我々ひとりひとりが幸せな人生を送るための一助として、真剣に取り組むに値する行動かもしれない。(難しく言っているが、例えば、「毎朝、顔を合わせたら元気な挨拶を欠かさない」というような家訓でよい。そういう毎日の繰り返しが、笑いあえる幸せな日常を築くということだろう。)

 

そしてまた、それはそのまま企業における「経営理念」と「経営方針」(いわゆる「社訓」)について当てはまる。「経営理念」などというと小難しく感じるが、それは要するに社長が、「仕事において大事にしている想いや考え」もっというと、「生きる姿勢」そのものをことばにしたものである。

 

それはこれまでの人生経験において「こういう姿勢のおかげでうまくいっている。」もしくは、「こういう言動のために失敗した。」というものである。それらの中で、はっきり実感として身につけているものを率直に表すことが最も人に伝わるのだろう。

 

それをより端的に、具体的にすると、「うちではこれとこれは徹底的にやる。あれとあれは絶対にやらない。」という経営方針となる。それらを明確にする。そしてメンバーで共有する。それが「価値観を共有する」ということである。

 

共有する方法は、第一にリーダーが行動で示すことはもちろん、ことばにしていつもメンバーの目に入れる。そしてそれを唱和することで、常に口に出し、それを耳から聞く。(これは個人的な信条を明確にする場合においてもそうすべきである。)

 

人の価値観や習慣は一日、二日では形成されない。このように日々、意識し、徹底することで、ようやく無意識のレベルとなって身につくものだ。家訓作成という経験を通じてあらためて、組織のメンバーが価値観を共有して支え合うこと、そして、そのためのことばの大切さを感じている。


                                                                                 山 鹿 真 吾