「中秋」とは「秋の真ん中」という意味で、旧暦では7・8・9月を秋とし、旧暦8月15日の
月＝秋の真ん中の日の月ということから、「中秋の名月」と名付けられています。
2022年の中秋の名月は9月10日でした。太陽暦に基づき決まるものなので、毎年日付
が変わります。基本的には9月~10月の間になります。

中秋の名月のお月見の慣わしが広まったのは平安時代で中国から伝わり、平安貴族たち
は美しい月を眺めながらお酒を飲んだり、詩歌を詠んだりなど、風雅に楽しんだそうです。
江戸時代の頃には庶民にも広まり、秋の農作物の収穫祭と結びついていきます。豊かな
実りの象徴として満月を鑑賞し、お供えものをして、収穫の感謝や祈りを捧げる風習となっ
たそうです。

十四夜（待宵月）十五夜（望月）十六夜（不知夜月・いざよい）十七夜（立待
月）十八夜（居待月）十九夜（臥待月）と別名で呼ばれます。古の人々が東から上
がる月に、もの思いにふける様子が想像されるのではないでしょうか。
今年の十五夜は、澄み切った夜空に何とも言えないほどの大きく美しい月が東の空に見え
ました。

　今年に入りロシアによるウクライナ侵攻、稲森和夫元京セラ創業者、安倍晋三元首相、
エリザベス女王、ゴルバチョフ書記長の訃報が伝えられました。何か大きな時代の流れや変
化が起きているように感じます。観光船、小さな子の車内置き去り事故など人為的な事故
や不注意による傷ましい事故も起きました。誰もが、何でそんな事故が起きてしまうのか、
不思議でなりません。二度と事故が起きないよう各省庁や企業があらゆる防止対策を考え
てきますが、やり間違い、やり忘れなどの人間の過失によるヒューマンエラーは程度の差はと
もかく起きてしまいます。最後の１％の確認を怠ったため大きな事故に発展する事がありま
す。大きな事故に発展しない仕組み作りや各個人の行動パターンの再確認が必要ではな
いでしょうか。
古の時代のように明るく美しい月を見て楽しめるような世の中、心豊かな世の中になってほ
しいと思います。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　2022年　9月

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